銀盤少年


親友だから大丈夫って、少年漫画の友情パワーとかじゃねーんだから、そうあっさり行くもんか。


けど、男って案外そういうとこあんだよな。


殴り合いの大喧嘩をしても、翌日にお互いケロッとしてるもんだし。それこそ『友達だから』の一言であっさり解決することがかなりある。


仁もそういう性格だし、ここ二・三年で吹っ切れた感もあったし。


それにヒロの発言には謎の説得力があるので大丈夫な気になってくる。不思議だなぁ。


二人の問題は二人で解決するしかない。


そう耳にタコが出来るほど言われてきたのだ。俺が出る幕などないのはとっくの昔に理解済みである。


「ところでヒロ、お前いつの間に三回転跳べるようになってたんだ?」


使うことはないだろうと思っていた、試合中での選手の途中交代。


勿論代打で出場したのはヒロなのだが、予選会の時よりもジャンプ構成が上がっていたのだ。


トウループとサルコウの三回転を二回ずつ。コンビネーションもしっかり入れてきた。