友達とケンカして、すぐに謝ればいいのにそれが出来なくて。
無暗に時間が過ぎれば過ぎるほど謝りにくくなって、そのまま喧嘩別れというケース。
思い当たる節はいくつかある。この場合、うっかり道端とかで出会っても、素知らぬふりして他人に徹するんだよなぁ。
狼谷の仁はまさにこのケース。ケースの規模が違い過ぎて、一緒にするのが躊躇うけど。
「きっかえさえあれば良かったんだ。二人の場合はそのきっかけを生み出すことが物理的に不可能だったから余計拗れてしまっただけなんだよ」
「けど、長年に渡って拗れまくったこの関係を、二人だけで解決することなんて出来んのか?」
「出来るよ」
ヒロは断言する。
強がりでも希望でもなく、確信染みた声色で。
「元々二人は親友だったんだから」
ちょっとズッコケタ。