銀盤少年


最後の要素はスピン。


キャメルポジションからチェンジエッジ。上体を戻してフリーレッグを後ろから交差させたクロスビハインドスピン。


軸足を換えて今度はシットのポジション。軸足の後ろにフリーレッグを抱えたタック・ザ・フットを披露すると、最後はアップライトを軽く回ってフィニッシュを向かえた。


第一グループの中で一番の喝采。


だけど当の本人は至って冷静で、表情を変えずにおじきをすると、さっさとリンクサイドに戻って来た。


「お疲れ」


「お疲れ様です」


タオルを渡すと乱暴に受け取って、額の汗を拭う。


凄い汗。演技中は気付かなかったけど、息も上がっていて疲労の色が読み取れる。


たった数カ月じゃ、体力不足は改善されないか。


「良かったよ。身体もよく動いてたし、ジャンプの回転も足りてた」