銀盤少年


横に流れる3Aは目が覚めるほどの衝撃。


勢いがあり過ぎて着氷後のチェックが甘くなったが、それを相殺するほどの幅と流れがある。


間違いなく第一グループ内ではトップの実力。そもそも3Aに挑戦したのはケンちゃん一人だけ。


3Lo-3Tのコンビネーションジャンプも、セカンドジャンプの着氷がちょっと詰まったが、しっかり回転して降りてきた。


ループのコンビネーションは男子でも苦手としている選手がいるが、フリップにロングエッジを持ちケンちゃんに取ってはベストな組み合わせだ。


3Fの基礎点は5.3。対して3Loの基礎点は5.1。


フリップのロングエッジで確実に減点されることを考えれば、結果的に3Loを跳んだ方が得点が高くなる。


矯正出来ればそれに越したことはないけど、カズとケンちゃんでは状況が違う。


“二年前に跳べていた物を取り戻す”


今シーズンの目標でありケンちゃんに科した課題。


まずは技術を取り戻す。その一点に絞って練習メニューを組んできたけど……。