銀盤少年


たった数秒でこれだ。まだジャンプも跳んでいないのに。


撥弦楽器の音色に合わせて手を叩く。


鋭い眼光には不安の色は見えていない。


静かな闘志を燃えたぎらせて、グングンスピードに乗って行く。


やっぱ速い。


カズとは違いエッジを巧みに使って効率的に速度を出している。


だけどスピードを出せば、それだけコントロールが難しくなる。


そこをどう調整するか。見誤れば大怪我に繋がることも……。


最初に予定しているのは3A。


前向きに踏み切る恐怖は、実際滑ってみないとわからない。


ましてあれだけの速度、少しでもコントロールを誤れば凄まじい勢いでリンクに叩きつけられることになる。


アクセルの構えを取ると、勢いを殺さずにそのまま前へ飛び出した。