銀盤少年


ふにっ。


両頬を摘まんで左右に引っ張る。うわっ、意外に伸びるぞこのほっぺ!


「……おい」


「スマイルスマイル。多少のゆとりを持たないと自滅するよ」


「離せ」


パシッと撥ねられると、ケンちゃんは呆れたように小さく溜息を漏らして額を押さえた。


「人のことより自分の心配をしろ。あいつが時間内に来なかったら」


「俺なら大丈夫。それにヒーローは遅れてやってくるもんだろ?」


ボケたつもりなのに、ケンちゃんは一瞬真顔になって「そうだな」と聞こえるかどうかの声量で呟いた。


ボケをボケで返してきた!?


これが今日本でブームになっているという“ツンデレ”というやつなのだろうか?


喧嘩ばかりしてても、心の底では認め合ってるんだな。青春だなぁ~。