銀盤少年


「で、どっちを滑るわけ? 散々酷評したけど前のプロも悪いわけじゃないし、物に出来ればかなり良い感じになるとは思うけど。それに手直しした奴は難易度高いんだろ?」


そうなのだ。それが問題なのだ。


さっきまでの説教はヒロの憶測に過ぎないけれど、タクさんが俺のために色々考えて教えてくれたのは事実。


周囲の評価も良いし、実際滑ってみても気持ち的な面で滑り易い。


そう、気持ち的な面では。


「そのまんまじゃ難しすぎるんだよなぁ。ジャンプがなければ滑り切れるけど……って、本末転倒だろ?」


出来ればこのままでいきたいけど、俺の実力じゃ途中でバテるのが目に見える。


まあそれをなんとかするのが、振り付けを頼んだ(半ば強制だったけど)俺の使命であり、俺に与えられた試練ってやつだ。


俺がもう一皮剥けるために、乗り越えらなければならない壁。


タクさんもきっと、俺のレベルアップのために敢えて難しいプログラムを用意してくれたのだ。


その気持ちに答えたいし、このプログラムを完璧に滑りたい。