けど兄貴は一切ブレなかった。
「調子が悪かったら無理に100%の力を出さず、今出来る最高の演技をすればいい。それが俺のポリシーだ!」なんて、言い返したりもしてたし。
安全策だなんて言われるかもしれないけど、兄貴の場合は自分の判断で決断していた。
何があろうと自己責任。“チャレンジ”という大義名分が無い分、言いわけも出来ないし逃げ道もない。
技術もそうだけど、精神も強い選手だった。狼谷をそのことをちゃんと見抜いていた。
身内が認められるのはやっぱ嬉しい。それがタンポポ男の評価だとしてもだ。
「お前、ツンツンしてっけどやっぱ良い奴だな」
他人のことを良く見る人に悪い奴はいない。タクさんに自然と教わったこと。
だから狼谷は良い奴だ。
「はぁ? 馬鹿じゃねえの」
「つーわけで、ツンデレな狼谷君に重大発表がありまーす!」
ツンデレじゃねえよ! という怒号が飛んで来たが無視無視。


