銀盤少年


スタート地点は全く同じはずだったのに、その差はスタートダッシュで既に数メートル離されていた。


生活習慣も練習量も、ましてDNAも全く一緒のはずなのに、たった数時間早く生まれただけでこんなにも差が生まれしまうのか不思議で仕方ない。


ノービスの頃から周囲の注目を集めていた兄貴。


一方弟の俺は凡才の中の凡才という感じで、人並みには上手いけど……といった感じ。


それでも双子の兄貴が優秀なのだから、弟の方も素晴らしい才能を持っているかもしれない!


という勝手なイメージを連盟のお偉いさん方に押し付けられていたようで、俺の成績では到底呼んでもらえない合宿や試合に出させてもらっていた。


まさに金魚のフン。狼谷の発言はズバリ正しい。


だから歳の近い奴らには結構絡まれた。見えないところで嫌がらせもされた。庇った兄貴も標的にされた。


そんな時助けてくれたのがタクさんだった。


面と向かって注意したり庇ったりすると、逆に俺への風当たりが強くなると考えてくれたのか、俺達が孤立しないようにさりげなく傍にいてくれた。