「それでは、今日のゲストの登場です!」

目の前のカーテンが開いた。予想以上の眩しい光に思わず目を細める。

「前河あいちゃんで~す!!」

沢山の拍手と歓声に打ち消されそうになる司会者の言葉。

「よろしくお願いします」

笑顔で階段を降りていく、この時が一番幸せ。何も考えなくていいから。みんなが私を待ってくれていて、それに私は答えるだけでいい。それ以外の余計な考えなんていらない。
まだ鳴り止まない拍手と歓声に司会者が困った顔を見せる。

「どーも、初めまして。さ、どうぞ。」

司会者に促されて椅子にかける。

「バラエティに出るのは、この番組がはじめてなんですよね」
「はい。だから今すごく緊張してますよ」
「バラエティですからね、リラックスして下さいね」