―――… ―― 畳に布団。 この寝床スタイルが、夏休みの間に、すっかり板についちゃった。 「ねえ、大地。温泉街って、案外静かなんだね」 「夜だからだよ」 隣の布団で、横になっている大地が、笑いながら言った。 「そっちに行ってもいい?」 隣といっても、微妙に空いてる距離が、もどかしい。 こんなに人を好きになると、もっと近くにいたいって、欲張りになっちゃうんだね。