『はいじゃあ二人でジャンケンな!』

 言い出しっぺの淳は俺らを仕切ってるし……。

 しかも淳、満面の笑みだ。

『最初はグー!』

 林田が俺を睨んだ。

 そ、そんな睨まれても困る!

『ジャンケンポン!!』

 パーとグー。

『うっしゃぁっ!!』

 ガッツポーズをしたのは俺でなく、林田。

「負けた……」

 恐るべし、林田の眼力。

『はいじゃあ真琴に決定☆ ちゃんとやれよ!』

 神様、今親友に軽い殺意を持ってしまいました。

『……脳ミソも運も無い奴だな』

 林田が小声で嘲った。

 お前だって最初負けたくせに!!
 と思うがまた口に出せず。
 ……俺の超気弱っ!!

『報告宜しく♪』

 淳が笑った。
 ……仕方ない。
 時間の無駄だが、やってやるか。

『藤崎、ちゃんとやれよ〜』

『怖いからってちびるなよ〜』

 ジャンケン勝者の男子達も俺を嘲った。

 低能な奴らだ……。
 そう思っても、言い返す事など出来ない。

 俺は平凡すぎる人間だから……。