一人睨めっこ

『じゃあ〜ん!! 真奈美ちゃん特製カレーだよー!』

 夜八時。

『はいっ、優様!!』

『さんきゅ……』

 優兄のは妙に大盛だった。

『はい、ダブル宮下!』

『ダブル宮下って何だよ!』

 淳がつっこんだ。

『だってダブルだもん』

 葛西が意味不明な理由を述べた。

『わぁ〜っ、美味しそう!』

 何もつっこまない、駿兄。

 そして――――

『はい発情期』

 冷ややかなお言葉……。

「っていうか俺の分明らかに少ないし」

 優兄の半分くらいしか無いじゃん。

『何か言った……?』

 葛西が静かに言った。

 怖い……っ。

「何でもありません……」

 俺は無意識の内にそう答えていた。

『俺のちょっと食うか?』

 優兄が山盛りのカレーを俺に差し出した。

 優しい!!
 でも優兄の背後に鬼のような顔をした葛西が居るから遠慮します!!


 そうして、晩飯を食べた……。