『――そしてその時!! 真琴は葛西に愛のキスを!!』

『真琴君やるね〜!!』

『意外と手早いんだな』


「――って何説明してんだよ淳!!」

『いいじゃねぇかっ! それにしても相手が葛西とはな〜』

「…………」

 俺ってこんないじられキャラだったっけ?

『でも真奈美ちゃんは気付いてないんだよね?』

 駿兄が言った。

「ああ」

 気付いてたら、今ごろ俺の命はねぇよ……。

『真琴は葛西が好きなのか?』

 優兄が静かに聞いた。

『好きなんだろ?? な?』

「淳はうるさい」

『ひどっ!!』

 そんな淳は置いといて……。

「んな好きとか分かんないし――」

 大体葛西をそういう対象で見た事ないし……。

『あれぇ?? もしかして真琴君、初恋〜?』

「うっ」

 お茶目に痛い所突かれた!!

『まじで〜!?』

 淳は笑いながら俺の頭を叩いた。

「うっ、うるさい!」

 俺はそう言って淳の手を払い除けた。