『やりたい奴いねぇの〜?』

 シーン……。

 淳の問いかけに応じる者は居ない。

 皆……素直だな……。

『んん〜〜っ……』

 淳は悩みだした。

 そんなにさせたいのか……。
 自分でやれよ!

『そーだッッ!!』

 ビクッ

 ……ビックリしたー。
 いきなり大声だすなよ。

『ジャンケンで負けた人やって!!』

 …………えー。
 マジかよ。

『最初はグー!』

 ……マジらしい。

 しかし淳の言葉にグーを出したのはほんの数人だけだった。

 シーン……。

 あれ何この空気。

『……………』

 淳は何か考えている。

 そして言った。

『出さなきゃ負けよ!』

 …………おい!!
 幼稚な手に出やがって!

『ジャンケンポン!!』

 今度はさすがに皆出した。
 ジャンケンに参加した人数は俺含め十人くらい。

 まぁこんな大人数でやっても勝負なかなかつかなさそうだな。


 が。


 八人は、チョキ。
 二人は、パー。

 あれ、すぐ決まりそうだな。

 ……………
 俺、パーじゃん!!!

 もう一人のパーは……!?


『うわ、最悪』


 うわ、最悪。
 林田だ。