一人睨めっこ

『私、葛西真奈美です!! 真奈美って呼んで下さい!! 背高いですねっ!! 高校生さんですかっ?』

『え? ああ……高2……だけど』

 優兄は葛西の勢いに押され、冷や汗。

『優……』

 駿兄がそんな優兄を見ている。

『哀れみの目で見るなっ!!』

 優兄が叫んだ。
 そして優兄は助けを求めるように俺を見た。

 もしかしてこれって俺がどうにかしなきゃならないのか?

『まぁまぁ葛西、落ち着けよ』

 俺が口を開く前に、淳が言った。

 ゆ、勇者……!!

 葛西は淳に近づいて言った。

『黙れこのチビが』

 葛西はにっこり微笑んだ。

 怖ーーーーーっ!!!
 隊長っ!
 これはもう俺の手に負えません!!

 葛西はくるりとまた優兄の方を見た。

『名前なんて言うんですかぁーっ? って言うか高校どこなんですかぁ? やっぱり近くの東校ですかぁ? あっでも頭良さそうだしぃー、南校だったりして!』

 葛西のマシンガントークは止まらない。

 優兄……グッドラック。