『なーるほど……』

 駿兄が呟いた。

「俺、どうすればいいんだろ?」

 俺の問いに、優兄が答えた。

『んな事分かんねぇよ』

 そんなはっきり言わなくても……。

『ただ、何があっても諦めるな』

 優兄は俺を真っ直ぐ見つめた。
 ――強い瞳で。

『真実から目を逸らすな。絶対に生きろ』

 そんな真剣な言われると、何だか怖くなってきてしまった。
 そもそも、死ぬ危険性があるのか?

『何が起こるかなんて全く分かんないからな』

 俺の疑問を察して優兄が付け足した。

 そうか……優兄だって、死ぬような目にあったんだ。
 こんな、ただの遊びで。

「っ……」

 頭が痛い。
 たんこぶの所だ。
 淳め……思いっきし殴りやがって。
 ――ん?
 なんで殴ったんだ?
 俺を家に連れていく為?
 それだったら普通に誘えばいいよな。
 誘拐じゃ無いんだから。

「淳、1つ聞いていいか?」

『何?』

 淳が言った。

「何で俺の頭殴ったんだよ」

『え? ――ああ!! あれね!』

 こいつ、忘れてただろ!
 俺を殴っておきながら!