一人睨めっこ

『起立、きをつけ、礼――』

「ふう、帰ろ!」

 ――って

(てめぇふざけんなよ!!!)

 俺は先程の林田並に叫んだ。

 冗談じゃない!!
 何が嫌だ、だ!!!
 元々俺の身体なんだよ!

(おい聞いてるのかよ!!)

『帰ろうぜ〜真琴』

「おう、淳」

 淳ともう一人の俺は教室を出た。

 またスルーされた……。

(淳……)

 お願いだ、気付いてくれ。
 それは俺じゃない。
 お願いだ――――。


 そんな俺の願いも届かず、二人は学校を出て、通りを歩いていく。

「でさー! マジあり得なくね?」

『――真琴』

「へ?」

『ごめんっ!!』

「!?!?」
(!?!?)

 バキイイィィッッ!!!

『――っ!!』

 バタッ……


 俺はその場に倒れ、気を失った。