一人睨めっこをしたのは俺だ。
 もう一人の俺を呼び出したのは俺だ。
 魂を無理やり引き剥がしたのは俺だ。

「ごめんな」

 もう一人の俺に
 淳に
 真奈美に
 優兄に
 駿兄に
 皆に

「ごめんな」

 本当は
 もうちょっと

「俺の体に戻れ……」

 生きたかったな……。


『本当に、いいのか?』

「ああ」


 スッ……

(入ったけど……)

 久々に、頭の中から響く声。


 これ以上居たら……思いが揺らいでしまう。

 俺は、窓を開けた。
 窓枠に足をかけ――



『嫌…………!!』

 ふと、俺の体を包み込む温かさ。

「真奈美っ――」

『一人にしないで……』


 すがりつく真奈美。
 俺の心が揺らぐ。

 今ここで死んだら、真奈美は――。
 皆に迷惑をかけてしまう、けど――。

『……や……だ』

 真奈美は、泣いていた。


 俺は