お兄ちゃん・・・


私はちょっと浮かれた気持ちから一気に突き落とされた。


「あ、あれ? デートじゃなかったの?」

楓花は無愛想に雄志に問いかけた。


「ああ、うん。 夜飯は家でと思って。」


お金が無いんや・・・

それはどうでもいい!! 
あんなとこで女の人と・・・


私の頭の中であの場面が甦る、
なんだか怒りみたいなものが込み上げて来て
自分で顔の表情が変わるのがわかった。


「楓花ご飯は!?」


そう母が聞くと、


「いらない!!」


そう言って楓花はドアをバタンと閉めて
部屋に戻って行った。

機嫌の悪い楓花に母も雄志も首を傾げた。