さつきちゃんのお母さんはすぐに見つかった。

「あ!ママだ!ママー!!」
「咲月!」

「だからお母さんと手繋いでって言ったでしょ?」

「ごめんなさい…。」


「本当にありがとうございました。」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、バイバイ~。」

さつきちゃんが笑顔で手を振ってくる。

お母さんが見つかってよかった…。

「迷子の放送なんて、思い付かなかったです。」

すぐそこの本部を見る。

「俺もさっき通って、場所知ってたから。迷子の放送、いい案だったでしょ?」

え?

「この道、先輩の家の方と反対方向…ですよね?」

「あ…。」