私は思わず、笑顔になった。

雰囲気が随分変わった、
顔隠してても表情が分かる。
最近、陸先輩が言ってた。

私は雰囲気が変わったというより、
『空くん』に戻った気がする。

そして、
それが幸せなことなのは変わらない。

「…何笑ってるの。返さないよ?」

キーホルダーが椿さんの右手で揺れる。

あっ、それは…

「…すいませんでした。」

「よし。」

キーホルダーを返すと同時に手を繋がれる。
驚かなくなったのは、慣れだと思う。

「行こう?
陸達がコンビニ行って待ってる。」

「そうですね。」

手を繋いで歩き出す。