「…でもそれだと、『空』と『海』はともかく、『陸』は凄く変わりやすいですよ。」

日本は四季があるから。

「だから、あいつは苦手だ。
…板野も、な。」

椿さんは苦笑して答える。


「…くしゅん!」

大きなくしゃみに二人して振り返る。

「なー、お二人さん。」
「(先輩!駄目です!)」

少し体を縮めた先輩と、
焦っている水月がいた。

「イチャついてるところ悪いけどさ。あんまり遅いと俺風邪ひいちゃう!」

陸先輩はブルッと震える動作をする。

「陸のこういう所が…な。」

二人して笑う。

「わ、何で空、笑ってんの?
珍しい…顔出してるし。」

それを見た陸先輩が大袈裟に驚く。