そして陸が言葉を続ける。

「海ちゃんは、『空』が好きなお前が好きだった。だから『空』と自分を一緒に見て欲しかった。
そして、今も宝物と言ってお前から貰ったキーホルダーを持っている。
そのキーホルダーも空に渡すまで、ずっと持ってた。
その意味、流石に分かっただろ?」

陸に言われて、俺は考える。

…あの子がまだ俺を好き?

「…だ。」

「え?」

…嘘だ。

だってあの子は…

「それはない。あの子は一度別のやつと付き合ってた。」

「は?なんだよそれ。」

「事実だ。俺は一度、海に会いに行って、そこで見たんだ。」

あの時見たことは、忘れていない。

俺は昔を思い出した…。