私は放課後、空き教室に来た。

椅子に座って人を待つ。

「遅くなってごめんね。」

「大丈夫ですよ、陸先輩。
それより呼び出して、すみません。」

「いや、平気だよ。」

先輩はそう言って微笑んだ。

そして、少しの間お互い無言になる。

「あの…ごめんなさい。」

先輩は黙って私を見ている。

「私、先輩とは付き合えないです。」

「…そっか。」

先輩が切なそうに笑う。

「水月が私と先輩のこと、凄く考えてくれてたこと、知りました。
その時気づいたんです。」

私は水月に言った言葉を思い出す。