「で、二股疑惑の原因はなんだったの?」


 今にも飛びついてきそうな雪乃に迫られる。



「美鈴が…」

「美鈴? あの美梨亜の妹の?」

「うん。陸君といたのは美鈴だったの。私は海斗君といたしね」

「なるほどねぇ…美鈴ちゃんか。納得だわ」



 頷きながら私の手を引っ張って教室から出された。





「で? 他に隠してることあるでしょ」

「え…と」

「吐きなさい!!」



 私は嫌がらせを受けていたことを正直に話した。



「そっかぁ…美梨亜…頑張ったね」

「雪乃~」

「今度は相談してよね」

「今度あるの!?」

「そりゃないほうがいいけど…黒川の彼女だしね」



 納得だけど…。



「彼女じゃないよ」

「はいはい」




 クラスメイトが聞き耳を立てていたのか、二股事件はその日のうちに誤解が解かれた。




 ついでに私が彼女じゃない発言をして…あきらめていた海斗君を好きな子たちが復活したらしい。



 彼女じゃなくても奥さんだもん!!




 言えないけど(笑)