吸血男子

 『万が一のため』




 それがパパとママの口癖だった。





「あ、親父たちからも連絡来た」




 海斗君は自分の黒いケータイを開いてそう言った。





 スカルゴーストって言ったら本当にすごい犯罪者だもん。




 酷い殺し方しかできないんだから…。





「人間食うって……」

「え?」

「好物は人間だってよ」

「…」





 私はソファの横に置いてあるモンスターブックを取った。




 これは人間界に売ってるものじゃないけど…。





 犯罪者とか、気をつけたほうがいいモンスターが載ってる本。





「ス…ス…あった…」