雪解けの頃に

「どうして……?」

 理花は手紙に向かって問いかけた。

 もちろん、答えが返ってくるはずもなく……。



 カサッ。

 ガサガサッ……。

 
 部屋の中には、手紙の震える音だけが響く。


―――どうして?

 グルグルと理花の頭の中が渦を巻く。


―――どうして?!

 大きな手に心臓がわしづかみにされ、そのまま握りつぶされてしまいそうだった。


―――どうして、どうしてっ?!

 この部屋だけ空気がなくなってしまったと思えるほど、理花は息苦しくてたまらなかった。



―――ま……さか?!

 視線をほんの少し下にずらして、手紙の2行目を見た。
 



 そして、一番知りたくなかった真実がそこにはあった……。