理花は部屋に入り、後ろ手で扉を閉める。
「私が帰ってくる日も時間も知ってるんだから、わざわざ手紙なんて送らないで電話をかけてくればいいのに。
まったく、もう」
ボスン、と音を立ててベッドに腰をかけた。
「『電話がかけられなくてごめんなさい。気まずいから手紙にしました』ってことでも書いてあるのかなぁ」
わざわざ大きな声を出しては、いちいち独り言を言う理花。
不安を取り除こうとする時の、理花の無意識の行動だった。
何を感じ取ってのことか、胸騒ぎは収まる様子を見せない。
理花は正直迷っていた―――手紙を読むことを。
母親からこの手紙を受け取ってから、胸の奥がチリチリと焼けるような、不快な感じが続いているのだ。
「……まさかね」
理花はふっ、と笑って自分の馬鹿げた妄想を振り払った。
「私ったら疲れているのかしら。
変な事ばかり思い浮かべちゃって……」
馬鹿馬鹿しいと思いながらも、理花の独り言は収まることはなかった。
「私が帰ってくる日も時間も知ってるんだから、わざわざ手紙なんて送らないで電話をかけてくればいいのに。
まったく、もう」
ボスン、と音を立ててベッドに腰をかけた。
「『電話がかけられなくてごめんなさい。気まずいから手紙にしました』ってことでも書いてあるのかなぁ」
わざわざ大きな声を出しては、いちいち独り言を言う理花。
不安を取り除こうとする時の、理花の無意識の行動だった。
何を感じ取ってのことか、胸騒ぎは収まる様子を見せない。
理花は正直迷っていた―――手紙を読むことを。
母親からこの手紙を受け取ってから、胸の奥がチリチリと焼けるような、不快な感じが続いているのだ。
「……まさかね」
理花はふっ、と笑って自分の馬鹿げた妄想を振り払った。
「私ったら疲れているのかしら。
変な事ばかり思い浮かべちゃって……」
馬鹿馬鹿しいと思いながらも、理花の独り言は収まることはなかった。


