愛を知った時

私は千夏の方を向くと、

「今度着方教えてね」

と言った。

千夏は、紙袋から自分の浴衣を取り出しながら返事をした。

「いいよ」

そう言うと、千夏は自分も浴衣を着始めた。


又もや芸術的な手さばき。

見とれちゃう位、慣れているんだよね。


私はと言うと、まだ浮かれながらクルクル小躍りしていた。

「やべ、もうこんな時間じゃん」

「あらら、行く?」

「そうだね」

私達は、伸と晴彦が待つ駅に向かった。

2人はもう駅前に居た。

2人共背が高いから、待ち合わせの時は分かりやすいの。


私は、精一杯背伸びをして手を振った。

「ごめんね~~~遅くなっちゃったぁ」

「本当、結花が急に『浴衣着れない!!』って言うんだもん」

「結花らしいな」

そう言って千夏と晴彦は、手を繋いじゃってラブラブなの。


ホント仲が良いなぁ。


そう思いながらまたも、ボーっとしてたら

「結花、浴衣可愛いじゃん♪」

そう言いながら伸は、私の肩をぎゅっと引き寄せた。



なに?不意打ち!!!


「ちょっと伸?!」


私は慣れない下駄を履いているせいか、うまく避けられずヨロッとなってしまう。


「なに、又伸のセクハラ??」


千夏が又しても伸に突っ込むと

「挨拶、挨拶。ね~~結花」

「伸は本当に軽いなぁ~~」


だって。確かに!!!


「心外だなぁ」


って伸は言うけど、全く千夏の言う通りだよね。


「みんな行くぞ」

晴彦の一声で、私達は歩き出した。

外苑前駅は、もはや浴衣の人でいっぱいになっていた。