愛を知った時

30分後、2駅かけて来てくれた。

「あ~~~千夏ごめんね」

私は目の前で手を合わせた。

「本当に!!!これはケーキ奢りだな」

「もちろん、もちろん。奢っちゃうよ」


当たり前だよ!!!

もう何でもしちゃうからさ。


「ハルの分もだからね!!」

「もしかして晴彦と一緒だったの?」


うわ~~私最悪!!

デートのお邪魔虫になってしまったみたい。


「そうよ~~でも、親友が困ってるんだからね」


そう言いながらテキパキと私に着付けていく。

「千夏さすがだね」

私は千夏のテキパキぶりに驚く。

「まあね。小さい頃からだからね~イヤでも慣れるわよ」


そう、何を隠そう千夏の家族は日本舞踊のお教室をやっているのだ。


千夏はよく、


『危うく舞妓さんにさせられる所だったんだから!!!』


と怒っていた。



どうやらそれが嫌で、日本舞踊の道には行かなかったんだって。


いつの間にか私は浴衣を身に纏っていた。


キュッと締め上げてから、真剣な顔で千夏がうなずく。

「はい、出来上がり」

「わぁ、ありがとう」


私はそう言いながら鏡の前でクルクル回ってみせた。


何だか気分が変わって、ウキウキしちゃうね。