受付では
「樋口様お待ちしておりました。広瀬様は…」
「広瀬は、今ゴロウを置きに行ってますので、もうすぐ来ます」
「…ゴロウですか?」
不思議な顔をする受付嬢。
「あっ!!愛車です。車を置きに…」
「左様で御座いますか。申し訳ありません。」
超恥ずかしい!!!
先が思いやられる!!!
「それでは、お支度をしましょう。」
エレベーターに案内すると、
「よく眠れましたか?」
「あっ、はい。」
何かノーテンキな子みたいだよね。
「それは良い事ですね」
そう言って笑顔を向けた。
そうしてるうちに5階に着く。
私達は、早々と用意を始める。
って言っても、私は座ってるだけ(笑)
今日だけは特別な日だから……
化粧をされ、いつもの私じゃないみたいに変身していく。
プロってすごいな。
その横で、カシャカシャ写真を撮るカメラマンさん。
きっと女優さんは毎日こんな感じなんだろうな。
なんて考えながら身を任せていた。
メイクが終わり、ヘアーをセットする為に人が入れ替わる。
今回はウィッグを付ける事になったのだ。
ヘアーをセットしてくれる人がおもむろに髪飾りを置く。
前の打ち合わせの時は、これだったっけ?