朝から携帯電話が鳴りっぱなし。
「もしもし、ありがとう!!夜はそっちに向かうから」
みんなからのお祝い電話が、
鳴り止まない…
「結花、そろそろ行かなきゃだぞ」
「そうだね。もうバタバタだわ」
香は私の方を向いて
「結花、後悔はない?」
「もちろん!!!」
そう言った私の手を取り、愛車のゴロウに乗り込む。
馬車道までの道のり。
車の中でも私達は手を放さなかった……
無言のまま心を感じあっていた。
香と居ると心地よい。
「着いたよ」
先に私を降ろす。
「ゴロウを置いてくるから、先いってて」
そう言うと、私にキスをして走り出した。
私はエレベーターに乗って受付に行った。