愛を知った時

この一年は本当に長かった。

俺は仕事に追われていたが、結花との電話だけは欠かさなかった。

なるべくどんな時でも取るように心掛けた。


結花はこの前、20歳になった。


成人式も祝ってあげられないダメ彼氏……

でも、就職先も決まった様子で俺もホッと肩を撫でおろしていた。


今日も仕事。。。


って言っても、最近はもっぱら引き継ぎが主な仕事なんだ。


そんな時、携帯が鳴る。



――――樋口 結花



俺は急いで喫煙所に逃げ込む。


電話口からは、愛おしい結花の声が聞こえる。

結花はいつもの様に話しかけてくる。



「いつ帰ってこれるの?」


なんて甘える結花。


「仕事はあと2週間で終わるんだけど、引越しで3日間位かかるかもなぁ」

「そっかぁぁ~~早く会いたいなぁ♪」


結花もそう思ってくれているのが、すごく嬉しい。


「俺もだよ!!そう言えば就職先決まったんでしょ」


「うん。何とか」



「帰ったらお祝いしなきゃな」


「本当に?!やった~♪」


電話口ではしゃぐ結花。


そんな可愛い結花に、早く会って抱きしめたい。


その時、もう片方の電話が鳴る。


タイミング悪いな。。。


「あっ!ヤベ!仕事の電話が入った!又電話するわ」


「うん」


そう言って電話を切った。