愛を知った時


伸は持っていた筆を置くと、


「あ~~~~あ。ふられちゃったよ」


そう言って私の方を見た。


「……あ…ほんとに…ごめんなさい」


伸は私のほっぺたを触りながら言った。


「そんな顔されちゃかなわないな。。」


「……」


「わかったよ、わかった。彼氏の事をそこまで想ってるなら、今は諦めるよ」



私は顔を上げると、

「…ありがとう」

とだけ言った。



「……でも、俺は結花ちゃんの事を、まだ大好きだからね。
 彼氏になんかされたらすぐにおいでね。」


私は涙が出てきた。


「ほら、泣いちゃせっかくの顔がだいなしだよ」


そういって涙を拭ってくれる伸。


手を出しながら


「ほら、握手」


そう言って、私達は握手をした。


「おともだち…ね」


そう言うと、私を引き寄せて抱きしめた。



そして、私からゆっくりと離れると、



「ほら行って。みんなが待っているよ」



私は一つ頷くと、走ってみんなの元へと戻った。