愛を知った時


------ドンドンドン


「伸、居る??」


「誰だよ?こんな時に」


「……ごめん」


私がドアを開けると、びっくりした顔の伸が私を見ていた。


「結花ちゃん?!リハーサルは??」


「…今…ちょっと良い?」


半ば強引に聞く私に、伸は押され気味で私を中に入れた。


「…そこ座って良いよ」


私は、伸の横のイスに座った。


伸はメイクを始める。


長く沈黙が有った後、私から切り出した。


「……昨日の事なんだけど…伸も知っているように」



「…彼氏が居るんでしょ」


「うん。伸の気持ちは嬉しいし、伸の事は良い友達だと思ってるよ。でも…」



「……でも?」



伸は私の方を向き直した。



「俺は、彼氏が居ても奪っちゃうよ。
結花ちゃんが、俺のことを好きになってくれる可能性が少しでも有るならね」



「………あの…ご…ごめんなさい」



「………」



「私、香の事…彼氏のこと大好きだし、伸の気持ちに…答えられない」