愛を知った時

――――ピンポーン


相変わらず人の気配を感じない。


……………居ないか…



もう一度、電話をかけてみる。



やっぱり出ない。




『何やってるんだろう……』




その時、マンションの前に1台のタクシーが止まった。


『香かも!!』


私は急いでエレベーターに乗り込んだ。



1階に着き私はエントランスに向かう。



そこで見たものは、タクシーの前で女性の肩を抱きかかえて顔を覗き込んでる香の姿だった。





状況が飲み込めない……





頭が真っ白で、考える事が出来なかった。




体が固まって血の気が引くのが分かる。




背中を嫌な汗がつたう。




『……ウソ…』