恋してはいけない。




 わかっていた、

 旦那様が私を世話係に任命した理由も



 わかっていた、

 奥様が急にそれを許した理由も




 年頃の男の子が、よその女に手を出さないように。


 大事な跡取りが、よその女を孕ませないように…




 そのため、1人女を宛がっておく必要があった


 わかりやすい名目、

「世話係」などと名付けて。



 身よりのない女ならうってつけだ、

 万が一孕ませたとしても


 少し金を与えて、追い出せばいい



 
 …わかっていた、それぐらい



 だから、坊っちゃんが最初に言ってくれた言葉は

 とても嬉しかった




 けれど、もう忘れてしまわれたようで…。