5歳の妹、美羽を保育園に迎えにくるのは、あたしの日課というか仕事だ。



「まだ高校2年生なのに、毎日えらいわよねぇ。大変でしょう?」



保育士さんの言葉に、あたしは「いえ」と首をふる。


そして、美羽の手を引いて帰ろうとしたとき。



「――美羽ちゃん。さようなら」


いつもの、あの声がした。