それにしても。
冷静に考えて、この状況ってどうなんだ?


俺は昨晩の電話の後、チョコに怒られた通りポテチ臭い部屋に正座をして、自分のやらかしたことについて深く反省した。

反省だけじゃない。後悔だって。

──後悔するのはあまり好きじゃないんだが、今回ばかりは仕方がない。


チョコが怒るのは当然だ。

俺は、俺たちの大事な時間をないがしろにして、どうでもいいあいつらのことばかり話してたんだからな。

付き合い始めた頃の俺なら、絶対に俺たちのデートを「そんなこと」呼ばわりなんてしなかった。
いや、出来なかったはずだ。

それなのに。
最近、俺はうぬぼれていたのかもしれないな。


とにかくきちんと謝りたくて何度も電話をかけ直したが、チョコは決して電話に出てはくれなかった。


……このままでは、まずい。

ここはしっかり初心にかえって、チョコと一緒にいられることに深く感謝をしなければ!


だからチョコ、お願いだ。

腹が立つのはよく分かるけれど、明日、もう一度俺にチャンスをくれ。

もう二度と、こんなふざけた真似はしないから……!



──そんなことを心に誓いながら(困り果てていただけ、という言い方も出来るが)、長く重い一夜を明かし、いざこのデートに臨んだというのに。

チョコは俺と会ってからの二時間というもの、深月とヤマタロの話ばかりしてやがる……。


はぁー、なんてこった。