開いたドアの向こうには すごく懐かしい人が立っていた。 「璃子…」 お母さんがビックリしたような顔で私の名前を呟いた。 「入りなさい…」 ただそれだけを言われ、私は家の中に入った。 3ヵ月もの間家に帰っていなかったせいか、特に何も変わっていない部屋だったが、すごく落ち着かない場所になっていた。 リビングのソファに座ると、お母さんはキッチンから紅茶を入れて持ってきた。 紅茶を私の前に置くと、私の向かいに座ったお母さんの口から出た言葉は 「今更何の為に帰って来たの?」 だった。