「夕食は、お連れのお客様の部屋に用意する…との事でよろしかったですね?」 「はい」 「それでは、ごゆっくり」 仲居さんが部屋を出て行った。 旅館の部屋は綺麗で広く、窓からは景色が見渡せた。 「綺麗…」 私は部屋に入ると窓を開けて外の景色を見ていた。 「たった二泊だけど、ゆっくりしような」 後ろから冬矢くんが笑顔で声をかける。 お母さんが亡くなった事で、疲れきっているのは冬矢くんの方…。 冬矢くんが少しでも体を休められたらなって思った。