どれくらいここで快音を響かせただろうか…?
打っても打っても思うような所に行かない。
イライラして俺は呼吸を整えながら汗を拭いた。
「…ねぇ、ちょっと!」
聞き覚えのある声に俺は全身が硬直する。
「あんたに言ってんのよ!」
「…なに?」
俺はちょっと笑ってアカリを振り返る。
「なに笑ってんのよ!」
「…笑ってねぇよ。」
「嘘!今笑ったじゃない!」
「笑ってねぇって!」
「絶対笑ったし!」
前にもしたそんなやりとりをして笑うアカリ。
俺はアカリの傍まで来ると「遅い」と呟いた。
「…もう居ないかと思った。」
「俺、お前が来るまで待ってるって言ったよな?」
アカリは「そうだね」と言ってベンチに腰を下ろした。

