親父はユニフォーム姿に着替えると「行くぞ」と俺に声を掛けた。
親父の所属する草野球チームは“ライダース”って言うんだけど、俺も小さい頃から週末になるとよく練習についてったりしてた。
この野球チーム本当いい人ばかりなんだけど、みんなどっか抜けてんだよなぁ…。
俺は車の助手席で独り思い出し笑いをした。
「なんだ、ひとりで笑って…」
「いや…昔さ、ライダースがユニフォーム作ったじゃん?」
「ああ、お前が中学の時だったか…?」
「そう。あの時新しいユニフォームにみんな嬉しそうでさ…でも、スペル間違ってんのに誰も気付かねぇの!!」
そう言うと親父もハンドルを握りながらゲラゲラ笑い出した。
「あったな~そんな事が!確か半年くらいしてから気付いたんだよ。」
「しかも間違いに気付いたの俺だし!」
「お前も着るか?…ユニフォーム。」
それもいいかもしれない。

