──記憶に巣食った悪夢は、未だに消えることを知らない。 心にぽっかりと空いた空白には、きっとあの日に置いてきてしまった心の一部があったのだろう。 自分でも分からない『置き去りの破片』は、私を酷く弱くする。 そして、痛みを感じる時は確かにあるし、喪ったって感じかする。 だけど、私にとっては『怖さ』が勝ると言える。 ──喪われるんだって、分かってる。 ──二度と戻らないことも分かってる。