side:龍騎


「どうした、答えないのか?」



彼女は、全てを見透かしているかのように笑った。漆黒の瞳は、何を考えているか分からない。


手が震える。全体的に白い空間に、それが余計に映えて恐怖を感じる。



「怖じ気付いたのか?」


「・・・・っ」


「──所詮、銀龍もその程度か」



足を組んで、彼女はどこかほっとしたと言わんばかりの表情をした。それは、微かながら人間味を帯びていた。



「では、質問を変えよう。お前は、どうして凜華を助けたい?」


「・・・凜華は、俺を助けてくれた。だから」


「だから助けたい。そう言いたいのか?」