嗤う布団



シーツに描いたものが、簡素な図形から変化してしまっているのを、目の端に捉える。


布団はやはり結界だったらしい。


円にしてはならなかったのだ。


そして、強く意識をしてもならなかったのだ。


恐怖という強い思考で、脳内を満たしては、ならなかったのだ。


結界と頑なに信じたものが反転し、己の恐怖が、喚び寄せてしまうから。



しでかしてしまったらしい過ちに、後悔の念が湧き上がった刹那。


布団の中心から何かが、私の背を押し上げ、ぐふりと嗤った。