真理子の人生

私はなんとか高校に合格することができた。

やったぜい。

ん?

高校が決まると塾に行く必要がない。

となると夜に外に出ていく口実をつくることができない。

キャバクラにご出勤できないのである。

しかし、そんな心配はする必要はなかった。

ますます母が家に帰ってこなくなったのだ。

そして、私はほぼ毎日キャバクラで働くようになった。

日ごとに、私を指名してくださるお客様も増えていった。

売上ものばし、色恋営業というものも覚えた。

「店をやめたら、付き合おう」

と約束したお客様も結構できてしまった。

そんなある日、警察が店に入ってきた。

未成年が働いているとの通報があったらしい。

早紀ちゃんが取り調べられた。

私は逃げた。

出口は警官がいるので、私はトイレにむかった。

捕まると高校入学が消えてしまうから必死である。

私はトイレの電気を消して清掃用具の入っているロッカーの中に隠れていた。

臭かったが、なんとか見つからずに済んだ。

しかし、店にはバレて辞めることになる。

辞めた時点で私はナンバーワンになっていた。