ちょっと不快に思いながらも、ヒロの言われた通りにする。
「渚は可愛い」
耳だけに神経がいくから、
隣から聞こえる低音に思わず、ビクッとなる。
「いきなり、何...」
「黙って聞いて」
いつもより、ちょっと強めの怒り方。
ヒロ、増して真剣だよ...?
強くギュッと目を瞑ると、ヒロは優しくあたしの頭を撫でてきた。
「俺、この先、渚以外なんて有り得ないから。」
また、優しい声色に涙が出そうになる。
「...うん」
「ずっと、これから先...渚だけ好き。大好き。」
聞いたことあるセリフだけど、今までとは違うヒロの声。
あたしはヒロを信じるから。
あたしは深く頷いた。