「美樹...オレ、今までずっとお前が好きだったんだ...これからもずっと、一生守るから」
そう言って差し出された手に、美樹は手を伸ばした。
「あたしも...ずっとタカシが好きだった!」
タカシは美樹の手を引き、自身の胸へ引き寄せた。
ギュッと抱き締めながら、美樹の耳元に口を近付ける。
「美樹、愛してr...」
―――――ブチッ
テレビをコンセントごと抜き、短い音をたて、真っ暗な画面になった。
たちまち部屋に静寂が訪れる。
「ひどいっ!!」
手に取ったタオルをテレビに向かって投げ、意気消沈...
これは、浮気と呼べるだろうか。
目の前に彼女がいるのに、こんな堂々と告白するなんて...
こう思ったのも、今日で何回目だろうか。
私は、渋々立ち上がり、テレビを離れて台所に立った。